【綺麗ごとなし】なぜ学校の勉強が必要?(子供に聞かれた時)

学習

皆さんは子供の頃に、「なんで勉強なんかしないといけないのだろう?」「社会に出ても、学校の勉強なんか役に立たないのに」と思ったことはありませんか?

あるいは、これを読んでいる方が、学生の方であれば、学校の勉強の必要性に疑問を感じていらっしゃるかもしれません。

この記事では、

●なぜ学校の勉強をする必要があるのか?

●勉強をすると、人生の何が変わるのか?

について、綺麗事一切なしで記載いたします。

これを読むあなたにお子さんがいるのであれば、お子さんから「なぜ勉強しないといけないの?」と聞かれた時に、この記事の内容を活用することができます。

また、あなた自身が学生の方であれば、まさにあなた自身の人生に、活用いただけます。

(なお、筆者は、たとえ大人であっても、一生勉強をすることで、切り開かれる未来があると考えるので、大人の方であっても、ご自身の人生に活用いただけるものと考えます)

      

なぜ勉強をする必要があるのか?

       

これはシンプルです。

勉強をすることで、あなたの将来の人生が変わるからです。

反論もあるでしょう。勿論全員に当てはまるわけではありません。

正確には、「勉強をすることで、あなたの将来の人生が変わる可能性が高い」です。

どういった点で変わるかというと、

  • 勉強をすることで生涯年収が上がる
  • 勉強をすることで、将来の職業の選択肢が増える

という点です。

  • まずは、「勉強をすることで生涯年収が上がるから説明をします。

以下は学歴と生涯年収の関係性を示したグラフです。

      

日経電子版 『「学歴なんて関係ない」の真実 生涯賃金これだけ違う』より

NIKKEI STYLEは次のステージに
NIKKEI STYLEが生まれ変わりました。キャリア、転職、人材育成のヒントを提供してきた「リスキリング」チャンネルは新生「NIKKEIリスキリング」に。ビジネスパーソンのためのファッション情報を集めた「Men’s Fashion」チャンネルは「THE NIKKEI MAGAZINE」デジタル版に進化しました。

       

つまり、実も蓋もない話ですが、「学歴が高い方が生涯年収がいい」のです。

「もっと若い時に勉強をしておけばよかった」、という嘆きの多くはこれに基づくものです。

勿論年収だけが人生の幸せではありません。

ですが、収入が高ければ、人生で出来る事は増えるでしょう。

●住みたい所に住める

●買いたいものを変える

●旅行したいところに行ける

これは、収入が高い方ができる範囲が広がります。

ちなみに、幸せと収入の相関関係を調べた研究もあります。

      

日経電子版 「お金でどれだけ幸せになるのか」2016/6/18付[有料会員限定]

お金でどれだけ幸せになるのか - 日本経済新聞
収入と幸福度は比例するが、年収7万5000ドル(約800万円)で幸福度はほぼ頭打ちになる――。これは、ノーベル経済学賞受賞者である米プリンストン大学の心理学者ダニエル・カーネマンらによる研究結果だ。2008~09年に米国で45万人を対象に収入や生活満足度、ストレスについての電話調査を実施し、年収と幸福度の関係を分析した...

        

年収が低い場合は、年収が上がるにつれて、幸せ度が上がる傾向があります。

ですが、一定の金額(上記図では年収700万円)を超えた後は、幸せ度は変わりません。

つまり、収入が年収700万円までにおいては、収入が高い方がより幸せを感じる可能性がある、という事です。

(個人的には幸せ度が変わらないとしても、収入が高い方が、人生の自由度が増すので良いかと思います)

          

           

次に、「勉強をすることで、将来の仕事の選択肢が増える」ということについて説明します。

1つは、(特に日本において、ということもありますが)、新卒採用においては、学歴によって、就職できる会社が左右されるということです。採用にあたり学歴を一切見ない、としているソニーのような会社もありますが、まだまだ少数派です。

これは、立場を逆にして、あなたが会社の新卒採用担当だったとして考えると、理解できる思います。毎年見切れない程の大量のエントリーシートがやってくる。また、実際に会ってみても、驚く程の優秀さを感じさせる学生はひと握り。大半はほとんど変わらないような学生達。また、限られた面接時間だけで、どこまで相手のことを知ることができただろうか。。。

そんな採用担当の方にとって、有効な判断基準となるものの1つが学歴である、ということです。

グーグル社の元人事トップのラズロ・ボック氏が書いた「Work Rules!」という本において、「日本の大学の成績は採用データとしては実質的に意味はないが、どこの大学に通っていたかを知ることは、少なくとも新卒者の採用については役に立つ」との記載があります。

これは、日本においては大学入試にあたり、学生たちは非常に勉強するが、一度大学に入ってしまうと成績を気にしない。なので、大学の成績は意味がないが、どこの大学に入ったかは、学生の新卒採用を判断するで役に立つ、という意味です。

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感想(3件)

このような学歴重視の新卒採用の是非はともかくとして、重要なのは、悲しいかな今現在としては、実際に就職に影響するということです。

この現実は変えるべきものかもしれませんが、あなたが一学生であれば、変えることができないものです。(ぜひ将来、あなたが大企業の役員や、天才プログラマー、あるいは社会に大きな影響を及ぼす立場の方となった際には、一石を投じてほしいと、真剣に思います)

また、周囲から「あいつはできる」と見られると、実際に本人の能力が向上する、という影響があります。(これを「ピグマリオン効果」と言います)周囲からの期待の有無が、本人に影響する、ということです。

興味のある方は、キャロル・ドゥエック氏の本を読んでみてください。

教師からの期待や褒めるという行為がいかに相手への影響力が強い、ということが分かります。(自分の子供、あるいは部下に関わる時に、とても役立つ名著です)

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感想(14件)

        

さて、話を戻すと、周囲からどのように見られるかが、あなた自身の優秀さに影響を及ぼすのです。

これが、出来る人は益々出来るようになり、出来ない人は出来ないままということを引き起こす一因です。出来る人に仕事が集まり、そのタフな経験から出来る人は益々仕事ができるようになっていく、という事が起きます。これも残酷ですが、残酷な真実の一つ、かと思います。

最近SNSで、早生まれ(1月~3月)は、勉強、スポーツ、収入の面で不利という記事が話題になっていましたが、これも、上記同様の事を示唆しているものとも解釈できます。

       

東大院教授「早生まれの不利は大人まで続く」研究結果発表

早生まれの不利は想像以上に長く続く 東大院教授が発表した研究結果 - ライブドアニュース
東京大学大学院の教授が早生まれに関する論文を7月11日に公表した。生まれ月による差は想像以上に長く続くとする研究結果を発表。早生まれの人は30〜34歳の所得が4%低くなるなどの報告が出ているという

        

東京大学大学院経済学研究科 山口慎太郎教授の論文

「Month-of-Birth Effects on Skills and Skill Formation」(英字)

Month-of-Birth Effects on Skills and Skill Formation
We estimate month-of-birth effects on cognitive and noncognitive skills, as well as factors relevant to skill formation. Our estimates indicate that younger st...

(※山口教授自身は、認知能力、という面から考察をされていらっしゃいます)

        

さて、上記から、偏差値の高い学校に入学した場合、周囲からできると思われ、実際にそれによってできるようになる、という効果が少なからず働く、ということになります。

勿論これも絶対ではありませんが、場の影響というものは大きいです。

突飛な例ですが、あなたが、「学校の廊下を学生がバイクで走り回っているような学校」に入学した場合、大学受験に向けて日々努力を積み重ねていけるでしょうか?勿論不可能ではないのですが、少々難易度は高いのではないでしょうか。

また、あなたが、「県内有数の進学校でその学校の生徒は、国立・私立の偏差値上位大学を受験することが当たり前という学校」ではどうでしょうか?

       

場の影響はさほど強いもので、「朱に交われば赤くなる」ということはまさに存在します。(余談ですが、会社毎のカンパニーカルチャーというものも同様に作用します)

そこで「当たり前」だと思われていることは、自分にとっても「当たり前」になりやすい、という効果があるとも言えます。

有名な進学校である開成高校の東大入学者数は非常に多いですが、「東大に行くのが当たり前」という環境に身を置いている場合、「自分が東大に行けるのだろうか?」「自分が東大に行けるはずがない」というマインドバリアに捉われる可能性は低くなります。(何度も記載しますが、全員必ずそう、ではありませんので悪しからず)

例としてはかなり話は変わりますが、オリンピックの短距離走協議において、1人が記録を大きく更新すると、他選手も一斉に記録を更新する、といったことが起こるそうです。これは100メートル10秒の壁は破れないと思われていたところが記録更新されると、10秒を超えることができるのだと、マインドバリアが破れるからとも考えられます。

さて、またも話を戻しますが、人間は周囲の人の影響を受けます。実際に勉学に勤しむ人が多く、東大に行く人が多いところに身をおくと、自分もそうなる可能性が上がるということです。

「自分がよく時間を過ごす5人の平均が、将来のあなたの姿だ」なんてことを言ったりしますが、それだけ周囲の影響は強いのです。(あなたの周囲にはどんな方がいますでしょうか?)

以上、「学校の勉強をすることで、あなたの将来の人生が変わる」という話でした。

【この記事のまとめ】

「学校の勉強をする事に価値があるか?」という問いには、「価値がある」と答えたい。

理由としては、学校の勉強に真剣に取り組み、自らの学歴をあげることで

  • 勉強をすることで生涯年収が上がる
  • 勉強をすることで、将来の職業の選択肢が増える

ため。

・あなたの子供への関わりに活かしてみてはいかがでしょうか。(あるいは、あなた自身が学生であれば、あなた自身に活かしてみてはいかがでしょうか)

     

     

なお、上記が該当しない方についても言及しておきます。

それは、自分のやりたいことが非常に明確に、非常に強くある方です。

そういう方にとっては、他の職業の選択肢が多かろうが意味はないでしょうし、やりたいこと以外で収入が高いとしても魅力的に感じないでしょう。

(また、それほどのめりこむことであれば、収入が後からついてくる、ということも一定程度あるかと)

ただ、そのような人は実際には非常に稀、ともいえるでしょう。

     

では、勉強の大事さはわかったけど、どのようにしたらいいのか?

という方向けにも、今後記事を書く予定です。記載したらこちらにリンクを貼るようにします。

     

<余談>

個人的には、いつか、上記のような学歴の影響が採用に影響する直結しない、という世の中になるといいな、とも思います。ただ、もしそれが、AIによって判断されるという時代が来て、(個人情報保護を考えない場合)学生のこれまでの過去の思想、行動、周囲への交友関係等々すべてを分析にかけた結果判断されるということや、AIの嘘発見機能が圧倒的に進化した結果、採用面接での受け答えで、嘘や「盛った」回答は全て見破られるとなった時。面接での技巧は一切関係なく、学生の全人生で判断されるという事は、ある意味で、学歴による判断よりも容赦がなく、厳しいものとなるかもしれません。将来世の中はどのように進んでいくのでしょうか。

以上

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