日頃、私達が、健康のために、筋トレ効果アップのために、何気なく飲んでいるプロテイン。
このプロテインは何から、どうやって作られているのでしょうか?
この記事では、上記のような素朴な疑問について、簡単にわかるように記載をしています。
この記事を読んだあと、あなたは、自分がいつも飲んでいるプロテインについて、一層理解し、今後プロテインを選ぶ際に、迷いが少なくなるはずです。
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筆者は、学生時代から含めると15年以上トレーニングをしてきている、トレーニング大好き人間です。トレーニングに関する色々なブログ記事を見るのですが、「このトレーニング方法は危ない!」、「あ、この人実際にトレーニングしていないな、コピペしているだけだな」「無駄に高いものをアフィリエイトのために紹介しているな」と思う記事が多く、ちょっとした怒り(!)を感じて、ブログを書き始めることにしました。実際の経験と、本当に役立つ本音ベースで、記事を記載していきます。
では、一緒に、プロテイン探究の旅へ出かけましょう!(大袈裟)
そもそもプロテインって何?
「そもそもプロテイン(パウダー)とは何か?」は、をお知りになりたい方は、以下の記事の前半部分をご覧ください。
プロテインの概要がつかめます。
以下より先は、プロテインの概要は知っていて、より詳しい内容が知りたい、という方向けに記載していきます。
ホエイ、カゼインって何?違いは?
プロテインで、よくあるものは、ホエイ、カゼイン、ソイですね。
このうち、ホエイ、カゼインは牛乳由来、ソイは大豆由来のプロテインです。
この記事では、メジャーな牛乳由来プロテインにフォーカスして記載をさせてください。
では、これらホエイと、カゼインは、何が違うのでしょうか?
上記の表は、プロテインを製造しているDNSさんのウェブページから参照させていただきました。(DNSさんのウェブページ、分かりやすいです)
牛乳のタンパク質にはカゼインとホエイの2種類があります。牛乳の3.5%がたんぱく質で、この牛乳に含まれるたんぱく質の80%がカゼイン、20%がホエイです
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水に溶けないタンパク質がカゼインで、水に溶けるタンパク質がホエイです。
牛乳から、カゼインと乳脂肪を取り除くと、半透明の液体が残りまして、これがホエイ(乳清)です。
ヨーグルトに、半透明の上澄み液みたいなの、入ってますよね?
それがホエイです。
このカゼインとホエイは性質がだいぶ違います。
タンパク質は体内で分解されて小腸で吸収されるのですが、カゼインは、胃に入ると胃酸で固まってしまい、胃に滞留するため、小腸で吸収されるまで時間がかかります。
一方でホエイは、胃で固まらないため、カゼインよりも早く胃を出て、小腸で吸収をされます。
このような性質の違いを利用して、カゼインプロテインはゆっくりタンパク質を吸収したい時(※)、ホエイプロテインは早急にタンパク質を吸収したい時に使う、というように使い分けをするわけです。
※ 吸収をされるのは、正確には、タンパク質を分解したあとの、ペプチドあるいはアミノ酸です。(タンパク質のままでは吸収ができない)
ちなみにここで、カゼインが80%、ホエイが20%だったら、世にあるプロテインのほとんどは、カゼインになりそうだと思いませんか?
でも、実際に一番多いプロテインはホエイですよね。
これはなぜかというと、カゼインはチーズ等の「使い道」があるから、なんです。
1980年代頃までは、ホエイタンパクはチーズを作った時の残り物と思われていまして、実際多くは捨てられていたそうです。(もったいない!)
ホエイは当時、意外にも「使い道」がなかったんですね
ですが、この捨てられたホエイ、栄養満点ですから、赤潮を発生させる等の環境被害を起こしてしまいました。
そこで、研究が進んだ結果、ホエイを有効利用できるホエイプロテインが開発された、という経緯があります。
ホエイプロテインとカゼインプロテイン、どっちがおすすめ?
さて、ここまでカゼインとホエイに関して色々と記載をしてきましたが、飲むプロテイン選びに関していえば、まず最初はホエイが良いと筆者は考えます。
勿論、こだわりをもって、ホエイとカゼインを使い分けてもいいのですが、
という理由から、まずはホエイ一択で良いと思います。
いずれ詳しくなって、使い分けたいな、と思ったら、カゼインを検討する、ということでよいのではないでしょうか。
まあ、正直に言えば、一番の理由は値段です(苦笑)
カゼインプロテインがホエイプロテインと同じくらい安ければ、ホエイとカゼインを使い分けてもいいのですが、カゼインは高いので、そこまでしなくても、、、という感じです。
(カゼインプロテインが高いのは、チーズなどの他のお金になる使い道があるからです。チーズにした方が儲かるなら、わざわざカゼインプロテインをつくらないですものね。自然、カゼインプロテインの値段が高くなる、というわけです)
ということで、以下は、ホエイプロテインに絞って、さらに深堀りしていきます。
ホエイプロテインの製造方法は?
重要工程① ホエイ(乳清)から、ホエイタンパク質を抽出
ホエイプロテイン、何気なく私達は飲んでますが、どうやってつくっているか、いまいちイメージわかないですよね。
再度、DNSさんの図に登場いただきました。
ホエイプロテインの製造方法ですが、まず、
「牛乳からチーズを作った余りものである半透明の液体であるホエイ(乳清)から、ホエイタンパク質のみを高純度で抽出する」
という処理をします。
具体的には、遠心分離機で脂肪分を分離したり、フィルトレーションといって、膜(フィルターにかけて分子の大きいホエイタンパクだけを抽出する、ということをします。
上のDNSさんの図でいう、「UF処理」というのは「ウルトラフィルトレーション処理」というものを言っています。
フィルターにかけると、タンパク質は分子が大きいため通過できないが、水、乳糖、ミネラルといったものは通過する、という仕組みを利用したものです。フィルターでタンパク質だけを捕まえよう、ということですね。
そして、この抽出したホエイタンパクを加熱処理し、乾燥した粉とします。
この抽出をしっかりばっちりできると、プロテインにおけるタンパク質含有比率が高い、という事ができるわけです。
ホエイプロテインについて、WPC、WPIといった種類がありますが、
WPCは、Whey Protein Concentrate(ホエイプロテイン・コンセントレート)の略で、タンパク質の含有量は70%~80%程度。
WPIは、Whey Protein Isolate(ホエイプロテインアイソレート)の略で、タンパク質の含有量は85%~90%程度。
WPIは、純度高く抽出できる方法をとっています。
重要工程② プロテイン製造工程の肝、それは「造粒」
さて、
このホエイタンパクの乾燥した粉が、私達が飲むプロテイン・・・というわけではまだありません。
このホエイタンパクの粉は、そのままでは、水に溶けにくく、味もついていないです(正確には「プレーン」味。原材料そのまま。美味しくないです・・・涙)。
なので、粉を水に溶けやすくするとともに、味や添加物を均一につけるために、「造粒」という工程を実施いたします。
この造粒工程は、種々の方法があるようですが、メジャーな造粒手法として、「流動層造粒」という手法があります。
この「流動層造粒」は、巨大なミキサーの中に、ホエイタンパクの粉、増粘剤や味や色をつける各種原材料を入れて、混ぜる!というものです。
正確には、ミキサー内の下部から、熱風でミキサー内の原材料を巻き上げて、ホエイタンパクの粉と他の原材料をくっつけて(凝集させて)粒を大きくする、ということをします。
大きくなった粒は次第にミキサーの下部に溜まっていく、と言う仕組みです。
原材料がくっついて粒が大きくなった方が、粒の中に隙間ができるので、水に溶けやすくなる、ということを狙ったものです。
この造粒工程により、
といった事が可能になります。
原料であるホエイタンパクの粉の品質を除けば、この造粒工程がプロテインの品質を左右すると言えます。
ですが、お気づきの通り、造粒工程での付加価値は、水への溶けやすさや、味、泡立ちの程度などの、「便利さ」に関する事項が多いのです。
原材料の品質が変わらない限りは、プロテインの栄養面、成分面での差異はありません。
ですので、筆者は以下の記事で、「プロテインは(危なそうなところは除いて)値段で選ぼう」と筆者は主張しています。
安くて安全なプロテインがどこかに関心のある方はご覧ください。
ちなみに、筆者の上記記事でも、ザバスプロテインのビタミン添加について、言及しておりますが、基本的にプロテインに添加されているビタミン量は、一日の摂取推奨と比べて少なすぎます。
それだったら、そこらの薬局で売っているDHCのビタミン剤を買うと、プロテインに含まれる何十倍ものビタミンを、月額数百円で摂取できます。
プロテインに添加されているビタミンに、騙されないようにしてください。
(プロテインにビタミンが入っている分には別に良いのですが、極めて少量なのにプロテインの値段が跳ね上がるのが意味不明、という主張です)
非常に余談ですが、ザバスは大谷翔平選手がイメージキャラクターなのですね。大谷選手に払っている広告宣伝費もザバスの値段に上乗せされています。。。
国内製造プロテイン、海外製造プロテインの共通点は?違いは?
さて、プロテイン製造に話を戻します。
このプロテインの原料となるホエイタンパクの粉の生産地は、ヨーロッパ、北米、オセアニアに限られているそうです。
つまり、日本において、ホエイタンパクの国産品は存在しません。
日本は、100%、ホエイタンパクの輸入をしています。
これは、日本では牛乳の値段が高いこと、一方でチーズの製造消費が少ないこと(※)から、日本でホエイタンパク製造のための大規模施設を持つ経済的必然性がないためです。
ホエイタンパクの原料のホエイ(乳清)はチーズ製造時の余りものですので、チーズを製造しないと、ホエイ(乳清)自体が発生しないというわけです。
ですので、日本で私達が口にするプロテインは、海外生産のホエイタンパクを用いて、造粒以降の工程も海外で実施する「マイプロテイン」のような「海外製造プロテイン」と、
海外生産のホエイタンパクを用いて、造粒以降の工程は日本国内で実施する「エクスプロージョン」や「ザバス」のような「国内製造プロテイン」の2種類があります。
![](http://blog-growing-life.com/wp-content/uploads/2020/09/国内製造・海外製造-1024x576.jpg)
良く売り文句で使われている「国内製造」とは、造粒以降の工程の製造のことを言っています。
「国内製造」でも「海外製造」でも、原材料のホエイタンパクは全て海外産です。
国内のプロテイン製造工場では、以下のような工程を経て、プロテインが作られます。
輸入したホエイタンパクの品質チェック(異物除外作業)
⇩
造粒
⇩
品質チェック
⇩
充填(プロテインを袋・容器に詰める)
⇩
最終チェック・出荷
プロテイン製造工場のおすすめ工場見学動画
プロテインの製造工程を確認できる動画がないか、Youtubeで探してみました。
なかなか興味深いものでしたので、もしご関心あれば、ご覧ください。
このマイプロテインの工場見学動画では、プロテインそのものの製造工程は残念ながらほぼわかりません。
造粒工程と思われるシェイカー機械設備がちょろっと見えるくらいで、多くは、巨大な物流設備の紹介です。(企業秘密でなかなか出しづらいのでしょうか)
ただ、これを見ると、マイプロテイン社がいかに、大規模企業で、規模の大きな工場をつくり、圧倒的な物量とコスト削減で、世界中にプロテインを販売している、ということが分かります。
経済学でいう所の「規模の経済」を追求している、という印象です。
なお、マイプロテインといえば2020年9月に同社のプロテインバーへの虫購入騒動が起きましたね。
そちらについての詳細を別途記事にしていますので、関心のある方はご覧ください。
こちらのザバスのプロテイン工場見学動画は、原料のホエイタンパクから、どういう工程を経て、プロテインが完成品となるのか、という一連の工程を見ることができるので、一見の価値あり、です。
自社専用工場を持っていると、このようにカメラを入れて宣伝することができるので、強いですね、さすがザバスをつくっている明治。。。
この動画の2:20から、プロテイン製造の肝である「造粒」工程を見ることができます。ここは上記の筆者の記事と合わせてご覧いただくと、イメージが湧くと思います。
この動画は英語ですが、
1:12 あたりに、フィルトレーション(※)の装置が出てきます。
※ ホエイ(乳清)から膜(フィルター)を使ってホエイタンパク質を抽出する工程
このフィルトレーション装置の現物を見れるのは、大変貴重です!
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私、また勝手に興奮してますかね?(苦笑)
だって、日本語の動画では全然出てこなかったんですもの。。。
![](http://blog-growing-life.com/wp-content/uploads/2020/09/図1.png)
WPI(より純度の高いホエイプロテイン)をつくるためのマイクロフィルトレーションだそうです。
この管の中にフィルターが入っているということですね。
以上、私達が日頃飲んでいるプロテインの製造工程について、記載をしてきました。
この記事のまとめ
極端に言ってしまうと、勿論、上記のようなプロテインの製造工程は知らなくても問題はありません。
(ここまで読んでくれた方、ごめんなさい汗)
ですが、知っておけば、プロテインを選ぶ際に自信をもって選べたり、安心して飲んだり、プロテイン製造・販売側の言葉のマジックや、宣伝文句に、だまされることが少なくなるかと思っています。
別記事にて、プロテインの原材料、構成物質の解説、比較も記載する予定です。
当記事と合わせて読んでいただければ、あなたはプロテイン愛飲者の中でも、相当なプロテイン物知りになるのではないでしょうか!(なりたいかは別ですけどね苦笑)
身体づくりのためのプロテインライフ、一緒に楽しんでいきましょう。
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